2025年6月4日水曜日

H神社 現世と異界の狭間 Between this world and other world

 H Jinja, Between this world and other world.

 H神社 夜の帳が下りる頃 社務所でもあるClub Jinjarと赤い鳥居が妖しく輝く 

昼間の厳かな雰囲気とは打って変わって 境内は不思議な光に満ちている

御神体は 光り輝く瞳を持つ猫神 そして その傍らには 存在感を放つ性器の道祖神が鎮座していた

石畳の参道には ネオンの招き猫が怪しく瞬き どこからか低いうなり声のような音楽が響いてくる

ここでは 満月の夜にだけ秘密の儀式が行われるという噂がある Club Jinjar に集う者たちは 猫神と道祖神に祈りを捧げ 欲望と快楽を求めているという・・・


ある夏の夜 若い男がH神社に足を踏み入れた  都会の喧騒に疲弊し どこか非日常を求めていた  彼は 最近巷で囁かれる噂 「H神社を訪れた者は 性の悦びと引き換えに 心の奥底に封じ込めていた欲望を解放される」という話の真偽を確かめるべく 足を踏み入れたのだ

社務所を兼ねるClub Jinjar そこは甘い香りに満ちていた 
薄暗いフロアでは猫耳をつけたホステスたちが艶めかしく踊り 客たちは酒に酔いしれて笑い声を上げている
その光景に違和感を覚えつつも 誘惑に負けてそこで時間を過ごした



クラブから見える神社 そこには猫神が鎮座し その横には奇妙な道祖神が祀られている
道祖神に近づこうとしたその時 背後から艶やかな声が響いた
「お客様そちらは触れてはなりません」
振り返ると そこに立っていたのは 肌もあらわな妖艶な女将だった 
彼女の瞳は まるで猫のように暗闇で光り 一瞬にしてその魅力に取り憑かれた
「ここは ただの神社ではござりません 心の奥底に眠る欲望を解放する場所 さあ あなた様も いかがですか?」
女将の誘いを受け 酒を酌み交わし踊った 踊るほどに心が放され これまで抑圧してきた欲望が次々と浮かび上がってくる 彼の頭の中では これまでに手に入れたいと思っていた事柄 名声が 強烈な光を放っていた


翌朝 神社の境内の片隅で目を覚ました 頭には昨夜の記憶が曖昧に残るのみ しかし 彼の心は不思議と軽やかで 視界はこれまでになく鮮明になっていた
スマートフォンには 昨夜撮った覚えのない写真が何枚も保存されていた
それは 彼ひとりでの あられもない姿が映り込んでいた そしてSNSで投稿し拡散されていた このことで後に社会で苦労することになる



H神社 で何を体験したのか 完全に理解することはできなかった 彼は確かにそこで何かを得た それは 心の解放であり 欲望の具現化であり 進むべき道を照らす光のように思えた

H神社の夜は 今日もまた 欲望に囚われた人々を誘い込む
猫神と道祖神が見守るその場所で 人々は自身の心の奥底に眠る「何か」と対峙する
その代償として 彼らが何を差し出すのかは 誰にも分からない
月夜の光が境内を照らす中 Club Jinjar の音楽とダンスは一層楽しげに響き渡るのだった



SL-OMAIRI SecondLife神社・寺ネットワーク


2025年6月2日月曜日

阿浦稲荷神社の謎  The Mystery of Apo Inari Jinja

 

阿浦の山奥にひそやかに佇む稲荷神社を訪れた大学生の健は 赤い鳥居が連なる参道を歩いていた 桜の花びらが舞う中 キツネの石像が見守る神社は静寂に包まれていたが どこか不気味な気配が漂っていた


鳥居には大きな注連縄が掛っていた 眺めていると 突然、背後から低い唸り声が聞こえた 
振り返ると 一匹のキツネが見つめていた 赤い首輪をつけたそのキツネは 導くように参道の奥へと歩き始めた
キツネを追った 鳥居をくぐり抜け 奥へ進むにつれて霧が濃くなる 
やがて キツネは小さな祠の前で立ち止まり 姿を消した


祠の前に置かれた古びた木箱に目をやると そこには「開けるな」と書かれた紙が貼られていた しかし 蓋を開けてしまった 
中には古い手紙が入っており 「この神社に隠された真実を知る者は 永遠にここから出られない」と 


その瞬間 背後で鳥居が軋む音が響き 霧がさらに濃くなった
振り返ると 来たはずの参道が消え キツネの石像が不気味に笑っていた

そして穏やかな声が聞こえた「この神社は お前が忘れてしまった大切な記憶を守る場所だ」

失われたと思っていた過去の記憶がいくつか蘇ってくるのを憶えた 

現実世界に戻った健は 以前よりも豊かな心で日々を過ごすようになった 
デジタル世界の中に 真の心の豊かさを見出した 過去と未来 現実と仮想空間が交錯する中で 新たな自分を見つけ出し
バーチャルな空間であっても 真の出会いや気づきが生まれうることに気づいたのだ